ネト充→リア充(願い)

1,緋夜

♪ カチカチッ カチカチカチ…

カーテンを閉め切った真っ暗な部屋に一定の早さで聞こえてくるキーボード音。
じんわりと青い光が私の顔を照らしている。

「引きこもり」「非リア充」

以上の二つの言葉はずばり私のことだろう。
高校生になってから学校をサボるようになり、ついには部屋を出ることすらあまり無くなった。

「真弥って本当優しいよね〜!!////」

現在 私はあめー◯ピグのようなゲーム中。
Webマネーや両親から送られてくる生活費をかなり課金しているおかげで
服・髪型・部屋の家具などがかなりそろっている。
髪はほぼ毎日同じだけど、服は一日づつ変えている。

「ねぇねぇ」
「真弥君今日昼何食べた?」

真弥くんとは私のこと。そして今話してるのは女達。私のピグは金髪にゴシック系で全身を固めた男子。

そう…ゲーム内で私は男。。。。
「そういえば昼飯食ってないや」
ピグは頭をかく動作をした。



♪ポンっ

画面左下に「3☆緋夜 オンライン」の通知。3☆というのはなんだかバンド?だかのグループ名だそうだ。


『いまどこー?』

緋夜からチャットがとばされてきた。

『緋夜サボり?w』

私は女子と会話をしながらも
チャットを返す。

緋『うっせwお前もだろーがw』
真『まぁwいまどこ?』
緋『それさっき俺きいたw』
真『いいからこたえろw』

緋夜とはいつもこんなノリ。
引きこもりになる前から仲良くて
緋夜も引きこもりらしい。
同級生だというから気を使わなくていいし、なにより…緋夜だけは私が女だと
知っている。

緋『じゃぁ俺今お前の部屋行くから』
真『了解!2分くらい遅れるかも』

私はそう打って今いる女達に

「ちょっと用事できた」
「悪いけど帰るね」
「またあした」

と打って返事が来る前にそのフロアを抜けた。オンライン設定を隠すに変えて部屋に戻る。

そこには赤い髪に黒と赤のチャラーイ服を着た男がいた。

「2分もたってねぇじゃんw」

緋夜はそう言いながらイスに座る。
私の家には私専用と緋夜専用の椅子がある。なんか彼かのっぽくていいよね!

緋「んでー…いつにす?」
緋「る?」

なにを?って思うよね。

~昨日の夜~
緋「今日地震あってさぁ〜」
真「え?」
緋「ん?」
真「こっちも来たよ?」
緋「え?どこ住みだっけ?」
真「北海道っつったじゃーん」
緋「俺も俺も!w」
…しってるっつーの
真「何市?」
緋 「札幌市!真弥は??」
真「札幌」
緋「え?!」
真「何駅の近く?」
緋「◯◯東駅だよ」
真「…」
緋「??」
真「…元◯◯中??」
緋「うんww近い??」
真「…隣の◯◯駅」

~現在~
みたいな感じで会おう!!ってなっちゃって…
あいたいよ?!会いたいんですけど…
ただリアルで外にでるのが3ヶ月ぶりってゆーか…リアルの緋夜を見たことない。w

「いつなら空いてん??」

緋夜はかなり積極的な人だ。

「い…つでもいいけど…?」

実際会うのがこわい…と思っている私は少し消極的に。

「じゃぁ服の準備とかいるから
明後日は??」

?!!!!?!?!?!!
はやっ!!!!w

「いいけど」(もういつでもいいですが)
「服とかってジャージじゃだめ?」

…別に会うぐらいジャージでいいよね?
って思ったんだけど…

「えwショーパンかスカート!」

って強制されました。

ルートは…
7:20◯◯駅
(私の方の駅まで緋夜が乗ってくる)
8:00スケート到着
11:00スケート終了
11:20イトヨ到着・昼飯
12:00昼飯終了・店を出る
12:30カラオケ到着
(カラオケ店内のプリクラ撮る!)
18:00カラオケ終了
19:00駅到着・バイバイ

って感じ!!
…カラオケなんて小学生以来…
スケートなんて…2回目…
なにより…プリクラって始めて!

ってかんじで予定が決まった。

それからいろいろ駄弁って
3:30には寝た。

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