やばい、可愛すぎ。


すっと教室を出て、俺は視線を窓のほうに向けながら───言い聞かせるように。


白井がどんな奴と隣で並んでても、平気。

たとえばあの照れくさそうに微笑む、優しい笑みが───俺に向いていなくても、平気。



平気、平気、平気。



言い聞かせる、何度も何度も自分に。


そして───流れていく窓の景色に、すっと〝彼女〟の姿が見えた。


足を止めたくないのに、止まってしまう。

渡り廊下を歩いているのが見えた。一人じゃない。


───アイツと、ミナセクンと隣に並びながら歩いているのが、見えた。



胸の奥が、ちくっと針に刺されたように痛む。


その痛みは、さっきのような寒さに震えるような痛みじゃなくて。




……ほら、平気。

白井がどんな奴と一緒にいたって…………っいや、違う。



違う───本当は、平気なんかじゃない。



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