やばい、可愛すぎ。


「……み、御影くん」


私は勇気を振り絞って、彼の制服の袖をひっぱった。


ちょっぴり震えたけれど、さっきの水瀬くんの時のように体温を根こそぎ奪われたような冷たさはない。


それどころか、熱い。

体中が溶けてしまいそうなほど、熱くて───。




「…………あ、りがとう……それから、……ごめん、ね」






途切れ途切れの不器用な、言葉。

もっとうまく言わなくちゃダメなのに、私はその言葉を口にするだけで精一杯で。


顔が沸騰してしまいそうなほど熱くて……あーあ、きっとまた、御影くんに馬鹿にされる。


……いち、に、さん。

心の中で数を数えても、いっこうに御影くんの意地悪な声は聞こえない。



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