やばい、可愛すぎ。
そう来るとは思っていなかったので、
「嫌じゃないよ」
と思わず言ってしまった。
それを聞くと、御影くんは一瞬ひるんだように体を逸らして───それから大きくため息をついた。
「どうしたの?」
「別に、なんでもない。
というか、お前に断る権限なんてないから。人をこんなに心配にさせておいて」
「心配?」
「───っっ、とにかくもうさっさと帰るよ。支度して」
「あ、うん」
御影くんは顔を赤くしながら、私をそう促すとそのままふいっとそっぽを向いてしまった。
私はあわてて自分の席に行って、鞄に教科書を詰め込んでいく。