やばい、可愛すぎ。
皐月くんは優しく、指を折り曲げて私の手のひらを握ってくれる。
冷たくて、けれど私には心地いい。
男の子の手は、女の子のように細くもなくて、ごつごつしていて───けれど、不思議と時間がたつほど私の心は安心していく。
「慣れるまで握っててあげるから、ちょっと隣に座るよ」
「ぁ、……う、うん」
皐月くんはそういうと、私の隣まで椅子を持ってきて───握られた手は、すっと私たちの椅子の間に置かれて。
「ゆり、俺手が空いてないからゆりが書いて」
「……うん」
皐月くんがこっちにプリントを渡してくれる。
シャーペンを手に取って、私は
「えっと、……こ、これどうすればいいんだっけ」
「んー?っと、だから、これが」
そういいながら、皐月くんの横顔が私の視界にちらり、と入る。
その瞬間───どきん、と大きく心臓が動く音が聞こえた。……あれ?