やばい、可愛すぎ。

また、会うの?


また、あの視線を向けられるの?


また、また、また。



嫌だ、嫌だっ!


もう、こんな苦しいことにも、悲しいことにも───耐えられないっっ。




俺は、結局、逃げ出した。




母と向き合うことも、母と話をすることも、怖くなって、悲しくなって、苦しくなって───俺は、逃げ出した。



裏切られることが、怖くなって。

忘れられることが、怖くなって。



───なら、他人なんて関わらないほうがいい。


最初から、無視していればいい。

耳を塞いで、聞かないふりをして───きゅっときつく目を閉じながら、通り過ぎるのを待てばいい。



そうしたら、こんなに傷つくことなんて、ないんだから……。



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