やばい、可愛すぎ。


「───そんなのっっ、当たり前に決まってるでしょう!!!」









声が、した。


……あれ、おかしい。

後ろから、声が───ゆりの声がした。


いつの間にか、ぽつぽつと肌を突き刺していた雨が、止んでいる。


……ううん、違う。

上を見上げると、かわいらしい魚のイラストが描かれた、アクア色の傘が後ろからさされているのが見えた。




「っっ、どこを……ほっつき歩いているのっ!

 いっぱい、いっぱい探したんだから…………!!」



なんで。

……どうして。


「いきなり飛び出して行ってっ……!

 私がどれだけ心配したかっ、皐月くん知らないでしょう……!!」



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