やばい、可愛すぎ。
リビングに入った私たちは、テーブルの上でリンゴを剥く傍ら、
高梨くんがしゃりしゃりとりんごを咀嚼しながら、聞いてきた。
「ところで、なんであんな状況に?」
「えっ……?あ、ああああんな状況……?」
うわ、私動揺しすぎっ。
リンゴを剥く手が一瞬震えて、ヒヤッとしてしまった。
そういえば、皐月くんを運んでもらうばかりでゆっくりちゃんと、高梨くんに説明していなかったし……。
駆けつけてもらったときには、私は皐月くんを抱き留めるような姿勢だったし……。
「それに皐月があんなに、苦しそうにしているのって……あんまり、最近見なかったからさ」
「……そう、ですか」
あの、苦悩に悩まされながら、誰にも言えずに隠してきたような───そんなことが、皐月くんにもあったのだろうか。
……そうだ、私は皐月くんのこと……何も知らない。
本当に、何も。