やばい、可愛すぎ。
病院を出るころには、もう3時間ほどたっていた。
自動ドアを出て、すぐ横のベンチにゆりと翔太が座っているのが見えて、そちらに歩いていく。
「あ、サツキ!」
翔太が、うれしそうにぶんぶんと手を振っている。
たぶん、ゆりが知り合いの家から迎えに行ったんだろう。
目の前までやってくると、
「皐月くん、おかえりなさい」
ゆりが言ってくれる。
あの時、俺は一人だった。
誰にも頼れなくて、寄りかかれなくて、一人でずっと耐えることしかできなった。
冷たいドアを押し開けて、あるのはただの空っぽの何もない、静かな家。
でも、今は───違う。
「ただいま」
そういうと、隣にいた翔太がん!と俺のほうに手を差し伸べた。
「かえろ、サツキ!」