やばい、可愛すぎ。


声が震える。

怖くて、振り返ることもできない情けない俺は、くっと息を飲みこんで言った。


「……ゆりの好きな奴って、……ミナセ……?」


無言。

ゆりは、後ろで何も言わないまま物音すら立てないで、いた。


それがまるで肯定しているんじゃないかって、思って───苦しくなる。

その思いをかき消したくて、俺の声は大きくなっていく。


「なら、お似合いかもな」


「……」


「アイツ、結構、お前のこと好きだったんだよ」


「……」

違う、違う、こんなことが言いたいんじゃない。


なのに、怖くて。

ゆりに、ありがとうって言われるのが───怖くて。


「……よかったじゃん」



そう口に、した瞬間───バン!と鋭い音が聞こえたと思ったら、後頭部に痛みが走った。



< 447 / 514 >

この作品をシェア

pagetop