甘い誘惑~Sweet Refrain~
店員が去って行ったのを確認すると、
「この間のことなんだけどさ」

南方さんは話を切り出した。

「あ、はい」

きた!

あたしは背筋を伸ばした。

「いや、別に緊張しなくてもいいんだけど…」

南方さんは困ったと言うように笑いながら言った。

「この数日間、いろいろと考えていたんだ」

そう言った南方さんに、
「そうなんですか…」

あたしは返事をした。

大丈夫、南方さんから何を言われても構わないから。

それが悪い返事だったとしても、最低限の覚悟はできている。
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