ニセモノ×初恋=??
その表情が何だか気になって。

「……紗英ちゃん……?」

声をかけてみる。

私に呼ばれたことでハッとした紗英ちゃんは、

「今の児玉センパイですよね?」

と聞いてくる。

「そうだよ。知ってるの?」

「もちろんですよ。そっか、各務センパイ、児玉センパイと付き合ってるんでしたもんね」

紗英ちゃんまでそれを知っていることに驚いた。

「うん、一応…。知ってるんだ、紗英ちゃんも」

何だか改めて聞かれると恥ずかしいような、騙してて申し訳ないような気がしたが、そう答える。

紗英ちゃんはニッコリして、

「はい、私の学年でもかなり噂でしたよ、この数週間。田神センパイと同じくらい、人気ありますもん」

とキラキラした視線を送ってくる。

「そうなんだ、あはは…」

思わず乾いた笑いをする私と裏腹に、

「だからこそ、兄がどうかしたんじゃないかと不安だったんです…」

と少し暗い顔をした。
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