ニセモノ×初恋=??
「うん、私こそごめん。また井ノ上とも話してみるからね」

そう答えると、一礼してから紗英ちゃんは去っていった。

私も返すはずだった本を抱えて、また教室に戻る方向へ早足で歩き始める。

―――本も返さないといけないし、井ノ上とのこともあるし、今日は児玉くんと帰るの断ろう。

そう考えた私は、スマホをポケットから出すと、今日は一緒に帰れないかも、というメールを送った。



少しだけ、紗英ちゃんが話していた内容を思い出して。



そして、紗英ちゃんの何とも言えない表情もちらついて。



モヤモヤする気持ちをごまかすかのように、教室に向かった。





そんな姿を私達がいたところの死角になるところから、見ている人がいたなんて気付きもしなかった。
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