ニセモノ×初恋=??


「はぁ、遅くなっちゃった……」


まわりに誰もいなかったので誰に聞かせるわけでもないが、一人で呟いた。

夏なので日は長いほうだが、さすがに7時半ともなると外は暗くなってきている。


下校の際、やっぱりまだ児玉くんに向き合えなくて、急いで帰ろうとした。

だが靴を履き替えて外に出たところで、副担任に捕まってしまい、用事がないなら手伝ってくれと雑用を頼まれてしまった。

仕方がないので諦めて、靴のまま科学準備室に入り、そこにあったスリッパを借りて作業を開始する。

単純な書類を綴る作業だったが、そのおかげか集中してできたので、児玉くんのことについて、モヤモヤした考えを一時的に誤魔化せたのはありがたかった。

あっという間に終わったと思ったが、次の書類まで持ってこられたため、さらに作業をするはめになり、終わったのは今の時間だった。

部活帰りの人もいる時間なので、ちらほらと帰ろうとする学生がいた。


今日は携帯も忘れたから、親に遅くなると連絡出来なかったため、駅の公衆電話から自宅の留守電にメッセージを残す。

そして電車に乗り、一人で揺られていると。



やっぱり、児玉くんのことを思い出してしまった。

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