ニセモノ×初恋=??
「え、知らなかったんですか?」

知らないということが意外、と言いたげな感じの二階堂さん。

「……そういえば、聞いたことなかったです……」

私の言葉に驚きは隠せないまま、

「樹のお父様は、司病院の院長先生なんですよ。樹は長男なので、その後継者です。付き合ってるのに、そんな大事なことを知らなかったんですか?」

説明をしてくれつつも、知らなかったことに対して何だか非難されてるように感じる。

「は、はい…知りませんでした…。聞いたことなかったですし…」

「……そうですか……」



そこで、お互い沈黙してしまった。



ニセモノの関係だったから、わざわざ児玉くんの家族の事なんて聞きもしなかったし、話してもらったこともあまりなかった。

しょっちゅう一緒に帰っていても、話す内容はその日あったこととかで。

よくよく考えると、あまりお互いのことは知らないまま過ごしていた。



けど。



今になって思えば、もっと聞いとけば良かったなと後悔した。

二階堂さんに言われて、自分が知らないということが、とても悔しいと思えたのだ。
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