ニセモノ×初恋=??
「はっ!?」
電車の中だと言うのに、予想以上に大きな声を出す田神くん。
「ちょっと、声大きい!」
「何で!?」
私の抗議は無視して、私に詰め寄る。
それに軽くひく私。
「何でと言われても…」
「あんなに仲良かったのに、急に何で!?」
田神くんの勢いは、本当に驚いたからなんだろうけど、そこまで驚くことだろうか。
「……前にも言ったでしょ、こんな関係、長くは続かないって」
「樹と何があったの?俺、樹があんな嬉しそうに過ごしてるの、見たことないんだよ。樹から別れるっていうとは考えられないし……。……沙菜ちゃんから?」
と聞かれ。
黙って頷いた。
「……そっかー……」
そういう田神くんの顔は本当に残念そうで。
こっちが申し訳ない気持ちになりそうなくらい、がっかりしている。
「…ごめん……」
私が謝ると。
「沙菜ちゃんが謝ることじゃないよ。二人の問題だしね。俺は樹の友達だから、つい、樹をかばいたくなるけどさ。……本当に良いやつだし、沙菜ちゃんの事、大事に思ってるの知ってたから」
と言ってくれる。
―――大事に、ねぇ。
「だって、二階堂さんがいるのに……」
「何て?」
ぽつりとつぶやいた言葉は、田神くんには聞こえなかったようで。
「さ、沙菜ちゃん!?ごめん、本当に責めてるわけじゃないんだよ!」
「え?」
急に慌てる田神くん。
そして、私の頬を撫でた。
「あ……」
田神くんは、私の涙を拭ってくれたのだった。