ニセモノ×初恋=??
「まじこの前の合コンのメンツ、なかったわー」

「だよねー。アド聞くのがっつきすぎてまじ引いたわー」

「鏡見ろってのよねー」

結構なボリュームで話してるので、聞くつもりはないのに彼女達の会話はまる聞こえだ。

それは田神くんも同じだったらしく、お互い顔を見合わせてから苦笑した。



さっき帰ろうと言ってたので、目配せして立ち上がろうとしたとき。



「薫さー、例の病院の息子はどうなったわけ~?」

「だったよねー、司総合病院だっけ?どうなったの~?」


という話が聞こえて、思わず私と田神くんは目を丸くして固まってしまった。


「どーもこーもないよ、あいつさっぱりなのよね~」

「まじー?薫でもおとせないって珍しいねー」

「ありえなーい」

「薫に落ちないって男が好きなんじゃない?」

「やだー」

「きゃはははは」


次々に飛び交う会話に思わず聞き耳をたててしまう。


―――薫って……二階堂さん?司総合病院の息子って……児玉くんだよね……?



そう思っても、後ろを振り返る勇気がなかった。

騒いでいる話し方とかじゃ、二階堂さんだとはとても思えない。

だけど、話している内容や声は二階堂さんのもので。


「せっかく各務とかいう女を遠ざけたのにさー、全然なびかないのよねー」

「例の付き合ってるふりをしてたとかいう女?」

「そ。そのくせ婚約者って言ったら傷付いた顔してんの」

「何それ、ばっかみたい」


彼女達はL字になった角に座ったから、私とは背中側で見えない。

田神くんも彼女達の姿は見えない位置みたいだが、会話は聞こえているらしく、表情が怒っている。


立ち上がりそうな雰囲気だったから、待ってと口パクでお願いした。
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