欲張りでいーでしょ!!!
不思議な転校生
杏side


『はぁぁぁ♡♡』

私、笠原 杏は史上最強に幸せです....♡♡♡

なんで?ってそりゃあ....


『宮沢とデートしたからでしょ』


『さ、紗羅っっ!?!?!?』

『声、全部もれてますよ』

や、やばい

心の声、幸せ過ぎて口に出してた....!


『紗羅だって 幸せなくせにぃ。』

親友の紗羅は彼氏の忍君と
ラブラブし過ぎてます。


『....///』

顔を真っ赤にして目線を逸らす紗羅

『いやぁ紗羅、ツンデレ可愛いッッ♡』

『杏の馬鹿....』


でも 私は甘く見ていた


この幸せが続くなんて....。



ガララッ

『おはよーございますー』

教室は相変わらずザワザワだ


朝日はまだみたい....。



『杏ー!おはよ!聞いた?!』


クラスの女子に囲まれてガールズトーク

これも朝の日課である。


『おはよ!なになに?』

『隣のクラス、F組に転校生だって!!!』

『転校生!?!?!?』

この時期に?!

『ホームルーム終わったら見に行こうよ!!!
女の子らしいよー!』


隣のクラスは体育とかで一緒になる事多いし、友達なりたいなっ♪


ガララッ


『....はよー。』


ドアに一気に注目が集まる


それは、私の彼氏!!!

宮沢 朝日。


『朝日ー!おはよぉー♡』
『宮沢君おはよう♡』
『杏、挨拶しなさいよ♪』


朝からモテモテですね....


『席着いてー』

朝日が入ってきたのとほぼ同時に先生が入ってきた


『聞いてると思うけど 隣のクラスに転校生が来ました。体育などで一緒になる事が多いと思うので、よろしくお願いします。』

ザワザワ


『えーと....卓球部!は....笠原さんですね』


『あ、はいっっ!』

名前を呼ばれて立ち上がった


『その転校生の子は女子卓球部に入部希望なので、案内お願いしますね。』

『はいッッ!!!』

やったぁぁ♪♪


『お前、昔から好きだよなー。友達作り。』

『朝日!』

頬をふくらませながら
肘をついているのは私の彼氏///

最近見てなかったツンツンモードも新鮮♪♪


『そりゃあ 友達になりたいもん!』

思いっきり笑顔でピースしてみたら

『笑顔 可愛い。』


『は!?!?!?///』


『なーんて、言わないから。』

『....馬鹿ッッ///』


ドSな性格は付き合ってても
変わらないようです....。


~放課後~


あー楽しみ♪♪


ホームルームの後は日直で呼ばれてたから、
まだ転校生の女の子の名前も、顔も知らないけど....。

F組の教室の前で待ち合わせなの!

ドキドキ


あー!ちょっとワクワクしてきた♪


なーんて浮かれてボーッとしてたら


『あのっっ!!!』



『は、はいっっ!!!』

掛けられた声に顔を上げると



『椎名 伊織です!!!』


フワッと香るバニラの香り....


肩に着くか着かないかのパーマのかかった
黒髪が清楚な雰囲気を出す

身長は私と同じくらいで低め。

目が....とにかくデカ過ぎる!



あまりに不思議な雰囲気が出てたから
ボーッとしていたら

『あ、あの。笠原 杏さん....ですよね?』

ハッ


『ごめん!!ボーッとしてて///』

『よろしくお願いしますね』

『うんっっ!!!』


部活に行くまで話していたら、伊織 は....

お父さんの仕事の都合で引っ越して来た女の子で、お姉さんが卓球部だったから卓球部に入部するらしい。


喋り方とかはすごいお嬢様っぽいけど、声とかがすごい可愛らしくて絡みやすい。

授業中などは眼鏡を着用するらしい!


『杏!』


紗羅が私に手を振る

伊織に気付いてペコッとする紗羅。


『もしかして、転校生の女の子?』

『あ、はいっっ!!椎名 伊織です!
卓球部入部希望です!!』

『私は 夢山 紗羅。よろしく!』


2人共いい雰囲気♪



『あのっっ....外の部活で....。
今日朝練やってたとこって、何部ですか?』


『えーっと....サッカー部と野球部....かな。』

テニスは今日無かったし....


『実は....一目惚れ....しちゃって///』


『『えぇぇ!?』』

私と紗羅は声を合わせて叫ぶ


『うっそ、誰々!?!?!?』

紗羅はめちゃくちゃ乗り気。

昔から恋バナ好きだよねぇ、紗羅。


『眼鏡かけてなかったので
良く分からないんですけど....』

『うんうん!』

『朝、門の前で靴紐が引っかかってしまって、それを優しくほどいてくれたんです』

『おぉぉー!』

『その時 笑顔で 気をつけてなって
言ってくれて....///』


可愛いぃぃ♡///


誰なの!?こんな乙女を惚れさせた奴!



『顔とか、特徴とか、覚えてないの?!』


『えと....ジャージの袖に苗字が....。』

紗羅はめちゃくちゃ輝いた目線で
伊織を見つめる


『その後、もう一人男の子が来たので、どっちがどっちだか、混乱してたのでよく覚えてないのですが....確か....』


ゴクッ





『宮沢 と 影山 だったような....』




『『どぇぇぇぇぇえ!?』』

私はともかく紗羅なんて、声が裏返ってる。


み、宮沢....と....影山!?


まさに朝日と忍ッッ!!!


ガシッ

『伊織!?どっちが助けてくれたの!?』

『宮沢でしょッッ!?惚れたの、宮沢朝日よね!?』

『いやいやいやいや、影山忍だよね!?
顔、マヌケだったでしょ!?』

『い、いえ、顔は....かっこよかったです///』

私と紗羅に両腕を掴まれて拒まれる伊織。

かっこよかったです....?


『『間違いなく』』

『忍!!!』『朝日!!!』


彼氏馬鹿だな....ウチら。


『伊織、忍には恋しないで....貴女とはライバルになりたくないの。』

少女漫画みたいに背景に薔薇つけてお願いする紗羅。

うーん、コメディにしか見えないね(笑)


『伊織....朝日だけはあげれないの....ごめんね』


『はい!取ったりはしませんから!!』


ホッ

胸を撫で下ろすと


『片思いはさせてもらいます!!!』


て、天然....


絶対に、忍でありますように....


恋のライバル??出現です。
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