欲張りでいーでしょ!!!
悔し涙
紗羅 side


『はぁぁ....』

忍、モテ過ぎてるよ....。


片峰さんも、伊織も(まだ仮)....


放課後の部活の外練が終わって、
普通は下校のものの、委員会のお仕事を忘れてて居残りです。

ひたすらレポートを書いて書いて書いて...。


『はぁぁぁぁー....』

ため息の嵐


ガラッ


『あれ?紗羅ー』

教室の前のドアが開いて 美紅香が入ってきた


『お疲れ様ー。居残りしてえらいね?』

美紅香は真面目な学年委員。


『ため息しか出ないよー。』


『あ、そーいえば。』

美紅香は手をポンッと叩き合わせると


『階段のところで忍待ってたよ?
もしかして紗羅待ってんじゃないの?』

ガタンッ


私は立ち上がってた


『美紅香!!!明日やるから、
このプリント類 机の中しまっといて!!!』

『ちょ、紗羅ッッ!?』

タタタタタタタッ


『逃げ足速いやつー。』



忍....。


私じゃないかもしれない。
待ってたんじゃなくて立ってただけなのかもしれない。

それでも....


体が、本能が貴方に反応してる。

貴方に...会いたい。



タタタタタタタッ


上から下の階段を見下ろすと


忍がネックウォーマーに
顎をうずめて立っていた



『しの....』
『きゃあああああっ』


バサッ


私が忍と呼ぶ声に重なった女の子の悲鳴。


慌てて下を見下ろすと



忍がその子を支えてた



『大丈夫かよ....』

『す、すみません!!』

い、伊織ー....?


忍と伊織の目が合うと

『あれ....お前、今朝の....?』


ドクンッ


『あ....もしかして、....ッッ///』


ドクンッ


『噂の転校生だったんだ。俺、影山忍。靴紐はひっかからないように結んどけよ!』

ドクンッ


心臓がドクドク生々しい音を立てる


今朝の....って。


やっぱり、忍ー....だったんだ。

『今朝は....ありがとうございます!///』

『おう』

ドクンッ


笑顔なんて....見せちゃって。

『あの...私は 椎名 伊織って言います!!!』

『椎名...ね。なんか懐かしいわ。』

真っ赤になった伊織を見て


『クラス違うけど、よろしくな?』

『は、はいっっ!///それでは、失礼します!!!』


タッ

走り出そうとした伊織の手を


パシッ


掴む忍


『足、ひねってんじゃね?保健室行っとけよ』


『あ、...///はい。』

ドクンッ...


どこまで優しいの?

他の女の子にも...こんなに優しいんだね...


ツゥーッ


涙...?




ガタンッ


手に持っていたスクバが手から離れた


その音に気付いて忍は振り返る


『紗羅!?』


忍の心配そうな顔を見たらもっと涙が溢れちゃって
駆け出しちゃった


『紗羅ッッ!』




悔し涙だ...。


私、嫉妬してるんだ。



こんな...。


ポタッ ポタッ



『忍...の馬鹿ヤロー。』

涙で視界は霞んでた
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