欲張りでいーでしょ!!!
紗羅side


今日は球技大会です!!!


なんと今日は春1番なんだって☆
なんか切なく感じる...。



忍...。


勝ってくれますように!!!



『紗羅ちゃん!!!』

その声に振り返るとそれは

『伊織!!!!?』


何かちょっと気まずいかも。

あれ以来話してないし...。


『どうしたの?』


『実は...お兄ちゃん、忍...が!!!』

『忍...!?!?』


焦るその声と忍と言う言葉に心臓が跳ねる



『忍がどうしたの!?!?』

『倒れちゃった...倒れちゃったの!!!』

ドクンッ


『どこ!?!?忍、どこ!?!?』

『今、保健室...』


もう走り出してた


忍...忍!!!


倒れた...?嘘でしょ...。




ガララッ

『忍!!!!!!』

息を切らしながら
私は保健室の扉を開けた

『紗羅...』


忍の優しい笑顔に安心して
胸をなでおろした

『倒れた...って...。』


『伊織から聞いた?ちょっとめまいが来て転んだだけだから...。大丈夫だよ!』


『本当に...大丈夫?』


『おう!!!』


『無理しないでよ...?』


『大丈夫だって!』

白い歯を見せてピースする忍。

『よし、じゃあ行くか』

『え、!?』

ベッドから立ち上がる忍に
思わず声をあげた


『まだ休んでなきゃダメだよ!』

『サッカー1番最初だろ?
俺が行かないと!!!』


『...。』


ポンッ


『学ラン、似合ってんじゃん』

ドキッ

私の頭に手を置いて優しく微笑む忍に心臓は音を立てた



なんか...すごく大人っぽくなってるね。忍。


『頑張って...ね...!!!』


『おう!!!』


私は、精一杯応援するんだ!!!


外に出て眩しい春の太陽に照らされた


球技大会、...いい思い出る...!!


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