欲張りでいーでしょ!!!

B VS E

杏side


ワァァァァッ


『それでは、
これより球技大会を始めます』


ワァァァァッ


大きな歓声と共に始めの言葉が
言い終わった


『それでは、サッカー の生徒は準備をして下さい。応援団は位置について下さい。』


ドクンッドクンッ


朝日...。

大丈夫かなぁ...?


1回戦目から、B組と対戦。


やばい...。

こっちまで緊張してきちゃったし...。



『サッカーの試合に出る、1年B組影山忍さん、至急試合コートに入ってください』

ザワッ


アナウンスと共にどよめきが上がる


忍!?!?どうしてー...。


実行委員の席に紗羅も見当たらない。




『すみません!!!影山 忍遅れました!!!』

キャアッ


ユニホーム、背番号11番...。

忍!!!来たんだ...!!!


紗羅も応援団の位置についてるけど...。
なんか不安そう。


『では...START!!!』

ピーッ


試合のホイッスルが鳴り響くと
朝日がボールを蹴った


朝日...!!!



忍とほぼ一騎打ちで戦う朝日。


どっちとも、本当に強い...。



パシュッ


『E組宮沢!!!シュートです!!!』

『朝日ッッ!!!!!!』

私が叫ぶと朝日は振り返って笑った

それと同時に女子の歓声が響く


パシュッッ


『おお!ゆずらず
B組影山!!!シュートです!!!』


うっそぉぉ!!!


『忍!!!!!!』


向こう側の応援席から紗羅の声。


紗羅は、本当に不安そうに忍を見つめてる

忍も...何か辛そう...。


朝日は、忍の異変に気付いて
審判にそれを話してる


『俺、大丈夫です』


『忍!!!お前...』


『大丈夫だよ朝日!!!』


大丈夫じゃないよ...。


パシュッッパシュッ


どんどんウチのクラスは
シュートを決めていく


次の瞬間



忍の体が傾いた


キャッ


みんな声をあげた。


グイッ



『忍!!!』


紗羅!?!?


紗羅が忍の手を引いたおかげで
忍は倒れなくて済んだ


『紗羅...』


バシッ


紗羅の平手打ちが忍にかかる


『馬鹿...。大丈夫って言ったくせに...。』

『...』


『勝ったって...。忍が居なきゃ意味なんてないよ!!忍とじゃな....』

ギュッ

紗羅の言葉を遮るように忍は
紗羅を抱き締めた

『....ありがと、紗羅』


『馬鹿....ッッ....』





いやぁ、なんか感動的....グスッ



紗羅も忍も成長したね....グスッ



そのあと、忍が棄権したためサッカーはウチのクラスが勝ちました!!!


でも....。B組は


『夢山と忍の愛の力で俺らは勝つぞー!』

とか言って超燃えまくり....。


そのため、

サッカー バレーはウチのクラスが勝利。
バスケ テニスはB組が勝利。


と言う結果に....!!


『最終種目は、卓球でーす!!』


....つまり?


私にE組の優勝は掛かってる....と。


無理....無理....無理....無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!


『杏、頑張って!!!』
『笠原なら行ける!!!』
『E組の優勝のために!!!』

ワァァァァッ


プレッシャー....が....。


ドクンッドクンッ


負けたら....どうしよう....。



『そんなプレッシャー
掛けても意味ないだろ』


『....ッッ』


どうしてー....


『最後がコイツなだけで、
負けても勝っても結果は結果だろ?』


いつも、来てくれるの?

私が困ってる時、助けてくれるの?


朝日....。


『そうだよね....。』
『負けても勝ってもそれがE組だもんな!』
『ウチらは目一杯応援するね!』



やばい....涙目。


朝日の優しさとみんなの優しさが
身に染みる....。


『私、頑張るね!!!』



クラス替えなんて、
無くなれば良いのにな。




『ありがとう、朝日!!!』




『応援してる』



『うん!!』


笠原杏、いざ!勝負です
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