死神のレシピ
息を切らせながら市場まで来ると早朝なのに沢山の人達が



テントを立ててお店を開ける準備をしていた



私はロニーさんを探した



確か、ここらへんに…



いた!ロニーさんがいた!



私はロニーさんに駆け寄った



初老のロニーさんは怪訝そうに私を睨みつけた



私はその迫力に、一瞬たじろぎそうになったけど



ビビッている場合じゃない



一刻を争うんだ



藁にもすがる思いでロニーさんに訴えかけた



「助けて下さい!
アントニーが、アントニーが…。」



焦って要領を得ない私に、ロニーさんはさらに怪訝な表情をした



「アントニーさんがどうしたんですか?」



その声に私は振り向いた


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