雨の日は、先生と

思い出したように寒さがやってきて、私の体は小刻みに震える。
廊下に膝を抱えて座っている私は、背中を丸めてより小さく縮こまった。


何も考えたくない。

嫌なこと、苦しいことは全部忘れていたい。

結局ここに来てしまう、自分の弱さも甘さも、何もかも。


どれくらい前からそこにいるのか、よく分からない。
ずっと前のような気もするし、ついさっきのようにも思える。


職員会議は、もうとうに終わってしまったかもしれない。
もしくは、終わっていなくても、先生は職員室から直接帰ってしまうかもしれない。


それなら、それでもいい。


私は、今自分が何をしようとしているのかさえ疑問だった。






その時、遠くから足音が響いてきた。






暗闇の中でシルエットが浮かび上がった時、胸が苦しくなって。





「あれ。」




そんな間の抜けた声が響いて、すぐ近くで足音が止まる。
私は先生の顔を見上げることもできない。

だからひたすらに、スーツの足元を見つめていたのだ――