愛というキモチのカタチ。

「このはが小学校に上がった年から母さんと2人で貯金したんだ。
お前の結婚資金の足しになればいいと思ってね。
この機会を逃したら、もう使うことがなくなるだろうから・・・。
式をするもしないもお前たちの自由だ。
好きに使いなさい。」



中に入っていたのはアタシ名義の通帳と印鑑。


お父さん・・・お母さん・・・。


思わず涙が零れた。
泣くつもりなんかなかったのに。
つられてお母さんまで泣き出しちゃう始末。


「ありがとうございます、有難く頂いて帰ります。
これは結婚にではなく、子育てで使おうと思います。」


アタシの肩を抱きしめて彬ちゃんはそう言った。


いつもいつもアタシのお金を使おうとしない。
『それはいつかの時のために取っとけよ。』
そう言うんだ。
それって・・・。



「楽しみにしてるよ。」


お父さんは笑ってお母さんの肩を抱きしめた。


頑張って可愛い孫の顔、早く見せてあげよう。


「お邪魔しました。」



玄関の戸が閉まる。



嬉しいような悲しいような、複雑な心境だった。

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