セカンドデビュー【完】
収録が終わると、橘さんは先にスタジオを出ていたようで、気が付くといなかった。
コンビニ行ってるだけだから、すぐ戻りますよ、とスタッフが教えてくれた。
「猿田さん、橘さんって……、ひょっとして有名なんですか」
「有名どころじゃないよ、あの子は100万枚売ったことあるんだぞ。琴音くん、知らないで使ってたのか」
「最近、ウチに来たばかりなんです」
「お母さんは何も言わなかったのか」
「母が?」
「水原アヤ、さんと、あの子の母親は親友だったんだぞ。デビューは歌手としてだったはずだ」
「……」
「なんだ、ほんとに知らなかったのか」
友達だということは知っていた。
よく母から聞かされる『立花美香』という名前。
コンビニ行ってるだけだから、すぐ戻りますよ、とスタッフが教えてくれた。
「猿田さん、橘さんって……、ひょっとして有名なんですか」
「有名どころじゃないよ、あの子は100万枚売ったことあるんだぞ。琴音くん、知らないで使ってたのか」
「最近、ウチに来たばかりなんです」
「お母さんは何も言わなかったのか」
「母が?」
「水原アヤ、さんと、あの子の母親は親友だったんだぞ。デビューは歌手としてだったはずだ」
「……」
「なんだ、ほんとに知らなかったのか」
友達だということは知っていた。
よく母から聞かされる『立花美香』という名前。