セカンドデビュー【完】
ダブルベッドに座ると、倖太が僕の手を引いた。
隣に座らされる。

肩に回された右手が、そっと背中に降りてくる。

「言葉が足りなかったな、ごめん。最初から部屋は予約してあったんだ。琴音の家だと、見つかるかもしれないから」
「……」

奥二重だけど涼しげな瞳が、オレンジの髪の間から僕を見つめてる。
よく見ると、綺麗な顔をしている。
僕ほどじゃないけど。

「琴音。どうして欲しい?」

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