セカンドデビュー【完】
胸が高鳴っている。

きっと聞こえてる。



なんでもしてあげる、と顎を指先でなぞられる。
キスしてと返事をした声が届いていたのかどうか。
倖太の左手が、肩を押した。

ベッドに押し倒されているのに、まるで力を感じなかった。
ふわっと彼の体が重なる。
舌を絡めてくる、ゆっくりした口付けに呼吸を奪われる。

「……っ」

舌と舌の間を、透明なしずくが糸を引いた。

「優しくできるのはここまでだから」
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