セカンドデビュー【完】
フロントガラスを割り、ドアを開けたのが見える。

「倖太。確認しろ。美香さんのものに間違いないか」
触らないように、距離を取って、ガラスの靴の裏を見た。

10.29と数字が入っている。
母の誕生日だ。

オレが昔、プレゼントした、小さなガラスの靴。

「間違いありません」
「わかった。タマテル、交番行って近くの署から応援呼べ」
「はい」
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