セカンドデビュー【完】

「リオから話は聞きました。水原くんが守ってくれたようですね。ありがとうございました。警察沙汰になったそうでヒヤヒヤしました」

ヒヤヒヤしたのはこっちだよ。

「……いいえ。まあ……。松本さんは、うちの水原と、リオさんのお付き合いを把握してらっしゃったんですか?」
「はい」
「そちらも、今は忙しいと思いますが」

『ワイルドストロベリーパイ』、略してワイパイは、雑誌のグアビアからバラエティー番組まで、ちょこちょこと露出が増えている。
好みの子がいないので、さほど把握してはいないのだが。

「忙しいのは一部のメンバーだけですよ。全員が売れるわけではありませんしね」
「琴音とデートする時間はあるようですね」

「リオはこれで、人気なんですよ」
「だったら、なおさら、男と付き合ってる場合ではないでしょう?」

わかってませんねー、と松本は、肩をすくめた。

「琴音くんと、リオのお付き合いを応援してあげて欲しいんですよ」
「……はあ~?」
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