異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
「ごめん、ごめん。ククッ……君があまりに馴染んでるから」
ティオンは謝ってくれているけど、目が笑っておまけに肩まで揺らしてるから、全っ然謝罪になってないんですけど。
「すいませんね、地味で平凡過ぎて、第一村人みたいで。あたしがその辺りの農道を歩いてても、違和感ないんでしょうよ」
「そんなことないよ。たとえ1000人の人間がいたとしても、僕は絶対に君を間違えたりしないから」
「……」
だ・か・ら~!
大勢の人の前でそんなことをサラリと言うなああ!
今は、村長と、その他地区代表の人たちが集まってんですよ。子どもだっているんですよ!
ちょっ、腰に手を回すな。頬に手をやるな! 背中を撫でるなあああっ(絶叫)!!
懲りないセクハラ魔王の手をつねりながら、あたしはこの上ない笑顔を村長さんに向けた。
なぜか村長がビクッと震えたのは気のせいですよねええ? さっきの恨みは全然、これっぽっちもございませんからあ。オホホホ。
「こちらの主な農産物は確かジャガイモでしたね。状況はどうですか?」
ジャガイモも収穫は夏から秋に掛けて。だけど、幸いセイレスティアは温暖な気候だから、南部では二期作が可能なんだよね。
「はい。お陰様で春の収穫が始まっています。品質はまずまずですね」
「そうですか。後でまた見せて頂きたいのでお願いします」
「はい! ぜひともお願いします」
何だか村長さんの対応が馬鹿丁寧になったのは……気のせいだ、うん。