僕の、うさぎさん。


暗い夜の道は、店や車の明かりで照らされているが、昼間のような明るさはない。


さのひなこの足音を頼りに、歩幅を合わす。


…本当に、俺の隣にさのひなこがいるんだ。



ありえないような出来事にまだ信じられずにいる俺の心。



もう、春の半ばだけどやっぱり夜は気温が下がる。




「…寒い?」


さのひなこの様子を伺うように聞いた。



「寒いねえ。真白くんもでしょ?」



「うん。寒い。」



「ならよかった。お揃いだね」



か…可愛い…


お揃いって、かわいい…





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