続》スウィートレッスン
いくら 表面上で笑って見せても…その消えない傷を隠すことで いつも必死だった。
───だからかな…?
自分が思ってることを 誰にも見せなくなったのかもしれない。
感情を表に出さないことで自分を守り
何より弱い自分を誰にも知られたくなかった。
「もう昔のことだし、今さら何があったとか…お前に聞かないけどさ。今の大地…すげぇいいじゃん!」
「あ…つ…ひと」
「ヒナちゃんのこと大事にしろよな。お前だってわかってんだろ?誰が お前を今みたいに変えたのかってことぐらい…」
反則としか言いようがない篤人のセリフに、不覚にも胸が熱くなった。
「お前に言われなくても、大事にするに決まってんだろ」
「はいはい。クールだったお前が そんなセリフを人前で言うようになっただけでも、ある意味すごい成長だよ」
「お前…結局 俺のことをバカにしてんのか?」
「バカ ちげぇよ!」