続》スウィートレッスン
「そうじゃなくて…素直に羨ましいんだよ」
スパイスがいっぱいかかった手羽先をまた美味そうに口に入れながら、篤人が微笑む。
「それに あんなにかわいい子が彼女ってだけで、大地は最高に恵まれてるんだからな!」
「はいはい…わかってるよ」
「本当にわかってんのか?で、そのヒナちゃんは元気なのかよ」
「まぁな…」
今 思えば 曖昧な返事をした俺が悪い。
何かを察知したのか…野生の勘をまたもや働かせた篤人が、しつこく2人の近況を聞いてきやがった。
学生時代と同じように
「言えよ!言えよっ!」
篤人が俺の肩を何度も激しく揺すって連呼する。
さっき 俺の過去は聞かないって言っときながら…矛盾してね?
って言うか、人の不幸はどうして 聞きたいってことかよ。
フザけんなよ…お前。
篤人の顔をギロッと睨みつけた。