皮が剥けた
そして私は――声にならない悲鳴を上げた。

薬品をつけた傷口も、私とともに泡の悲鳴をあげる。

炭酸のように小さな泡を立てながら、オキシドールが傷を舐める。

ざらざり、じゅわじゅり、傷口から、悲鳴があがる。

痛い、痛い、痛い……手が震える……顔が強張る……背筋に悪寒が走る……

灼けるような、痛み。

そういえば、オキシドールは傷口を溶かすことで消毒するのだ。

私は今、溶解させられている。

溶けているのだ、私の指が。

小さな白い泡に、抵抗できず、責め苦を受けるまま、悶えなければならない。

痛い、染みる、痛い、染みる、痛い痛い痛い痛い……
< 12 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop