皮が剥けた
翌日、私の傷はだいぶとよくなった。

もう、薄い表皮が新たに出来始めている。

触ればまだ、クレーターのような窪みは感じるが……絆創膏ともお別れだ。

昨日の痛みを思い返すと、しようもないことだが、首筋が冷えた。

とその時、

「いっ」

私は、弟の小さな悲鳴を聞いた。

「いってー……擦りむいた……」

……その声に私は、知れず知れず、密かにほくそ笑んだ。

悶えろ、弟よ。
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