Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】
「それで、皆は。
他の者達は、どうした」
質問をすると、ジジイは目を伏せた。
「ついさっき、最後の攻撃に出かけて行きおった。
万歳、の声がまだ耳についとるよ」
「……っ!」
身を翻して出て行こうとした俺を、ジジイが杖で止めた。
「……そこを、どけ!」
「ダメじゃ。
今からでは、間に合わんぞ?
一人で行って、なんになる!!」
「昼間の戦いに出なかった奴らは。
さっきまで、ここに残っていた者たちは、戦力にもならない負傷兵ばかりだ!
まともな武器も、弾薬もない。
敵に攻撃なんて、出来ないぞ?
みすみす犬死させる訳には、行かないだろうが!
連れ戻してくる!!!」
俺が、ジジイの杖を押しのけようとすると。
ジジイは、思いのほか、強い力で抵抗した。
「戦いにならないことは。
出て行った者たちも、百も承知だ。
奴らは自決をしに。
……自分の命を絶ちに出て行ったのだ」
「なん……だと!?」
俺の叫びに。
ジジイは、やけに淡々と喋りやがった。
「ここには、もうすぐ敵が来る。
だから。
……生きて虜囚の辱めを受けるなかれ……だそうじゃ。
要は、敵に捕まるのなら、死んだ方が、マシなんだそうじゃぞ?
……いまいましい」
ジジイは、やりきれん、とばかりにクビを振った。
他の者達は、どうした」
質問をすると、ジジイは目を伏せた。
「ついさっき、最後の攻撃に出かけて行きおった。
万歳、の声がまだ耳についとるよ」
「……っ!」
身を翻して出て行こうとした俺を、ジジイが杖で止めた。
「……そこを、どけ!」
「ダメじゃ。
今からでは、間に合わんぞ?
一人で行って、なんになる!!」
「昼間の戦いに出なかった奴らは。
さっきまで、ここに残っていた者たちは、戦力にもならない負傷兵ばかりだ!
まともな武器も、弾薬もない。
敵に攻撃なんて、出来ないぞ?
みすみす犬死させる訳には、行かないだろうが!
連れ戻してくる!!!」
俺が、ジジイの杖を押しのけようとすると。
ジジイは、思いのほか、強い力で抵抗した。
「戦いにならないことは。
出て行った者たちも、百も承知だ。
奴らは自決をしに。
……自分の命を絶ちに出て行ったのだ」
「なん……だと!?」
俺の叫びに。
ジジイは、やけに淡々と喋りやがった。
「ここには、もうすぐ敵が来る。
だから。
……生きて虜囚の辱めを受けるなかれ……だそうじゃ。
要は、敵に捕まるのなら、死んだ方が、マシなんだそうじゃぞ?
……いまいましい」
ジジイは、やりきれん、とばかりにクビを振った。