さがしモノ


食堂を一周するも、空いている席は見つからなかった。






「どうしましょ。」と呟いたところで、4人分くらいの席を1人で陣取ってるヤツを発見。





「ハロー。い、お、りくーん。」







「………。」








「いいねー。広々と。なので半分借りんねー。」








「………。」









「ねーねー。ちょっとガン無視は傷つくなー。」









「ッチ。」









「うわー。女の子に舌打ちはいけないよー?」




そう言いながら顔を覗き込むと、すっごく嫌そうな顔でそらされた。





白い肌に、通った鼻。形のいい唇に、二重の切れ長な目。




わたしが今まで出会った人の中で、1番のイケメン。


かっこいいって言葉よりも、綺麗のほうが似合う。



ーーこの美少年、南 伊織(ミナミ イオリ)は、顔がいいってことで学校で一目置かれている。


この気持ち悪いくらいに整った顔に、無愛想、無口。

こんな奴に話しかける人なんて早々いない。




そんなイオリと普通に喋っちゃうわたしやリオンもなぜか教室で少し遠巻きにされてる。




イオリ効果ってやつ?





そんな感じで、普段クラスメイトが殆どわたしに話しかけてくることはない。



とか説明しているうちに、目ざとくこっちを見つけたリオンが戻ってきた。







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