さがしモノ
「おかえりー」
リオンは、わたしの方をチラッと見てから、イオリに目を向けた。
でも何も言わず、誰も居なかったかのように振る舞いながらわたしの隣に腰を下ろす。
「なにー?メロンパン買ってきたのー?」
「そう。それで、利点って?」
若干機嫌の悪いリオンが、さっきの話を持ち出した。
「利点なんてないねー」
「は?」
怖い怖い。リオンのこめかみがピクピクしてる。
「でもさー普通″友達になる利点は?″とか言われたら嫌な顔の1つや2つ、するでしょーに。」
「だから?」
てゆうか、リオン。なんでイオリとそんなに仲悪いの。
イオリのせいでイライラするんじゃなーい
とは、怖くて言えない。
「んー?ああいうまっすぐっていうか。純粋っていうか?転校生ちゃんみたいなタイプがさ、わたしは嫌いなんだよ。」
自然と口角が上がる。
意味がわからない。とういう顔をしながらリオンはメロンパンを頬張り出した。
ガタンッ
「あれー?イオリ、もういくのー?」
声をかけるけど、もちろん無視。
視線だけ一瞬こちらに向けたものの、トレーを持って行ってしまった。
「イオリってさーかっこいいよねー」
「なにを今頃」
リオンが冷たい視線をわたしに向ける。
「あっ!いいこと思いついたぁー!」
「あんたのその顔、ロクなことないわ」
そう言ってリオンも立ち上がった。
「待ってよー」って言いながら半分以上残ったお弁当を急いで片付け、リオンの後を追う。
これから起こるであろうことを考えると、やはりにやけた。