さがしモノ
ガラガラッ
「あれー?」
教室に戻ってくると、そこには誰1人いなかった。
「リオーン。次の授業ってなんだっけー?」
「あたしが知るかっての。」
「ですよねー」
はぁ。とため息を着いたところで、初期設定のままであろう電話の着信音が鳴った。
♪ピリリリリリリリー
「……はい」
電話に出たリオンが窓際まで歩いていく。
ついていくのは流石に失礼だから、わたしは壁にもたれかかった。
窓から微かに入ってくる風が心地いい。
「あ。マイじゃん。何してんの?」
軽く目を閉じてたら、右から声がかかった。
「そーまー。なんかみんな教室にいないのよー」
「だって、次美術だよ」
えー。次は国語だったような…
「あっ。授業変更あったんだっけー」
キーンコーンカーンコーン
思い出したところでちょうどチャイムが鳴った。
「チャイム鳴っちゃったねー。ってことで、俺行くわ。」
「ばいばーい」なんで言ってそーまが歩き出したのは特別校舎と真逆の方向。
あいつ、授業受けないのかよー
はぁ。と、2度目のため息を着いた時、電話を終えたらしいリオンが戻ってきた。
「あたし、用事できたから帰んね。
先生には適当に言っといて。」
そう言うと、自分の鞄を持ってそそくさと教室から出て行った。
「もー。みんな不良かよー。」とかつぶやいてみたけど、誰もいない教室に虚しく響いただけだった。