スノードームと恋の魔法


彼も私も大人になった。


でも、その眼差しも笑顔も、あの時の永遠くんが目の前に立っている。


「運命の赤い糸って信じる?」


ふいに永遠くんが問いかけてきて、首を傾げる。


「未来ちゃんがここに残していった手袋の片方は、巡り巡って、今、僕らの手の中にあるんだよ」


私は持ったままのくたびれたポシェットを覗き込んだ。


これも、元は私の手袋だった。


編み込まれたニットは杭に引っ掛かって、解けて、長い1本の毛糸になっていた。


その両端を永遠くんと私が持っている。


「本当だ。繋がってたんだね、私たち」


離れていても空の下で。


きっと、永遠くんが落とした手袋を拾ってくれた大晦日の夜から、小さな奇跡は始まっていたんだ。


「ねぇ、久しぶりにあれやろうか?」


「あれ?」


首を傾げる永遠くんの右手を掴んで、そのまま万歳をしながら、雪の上に仰向けに倒れた。


「びっくりした」と楽しそうに永遠くんは声を上げた。


< 100 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop