スノードームと恋の魔法
彼も私も大人になった。
でも、その眼差しも笑顔も、あの時の永遠くんが目の前に立っている。
「運命の赤い糸って信じる?」
ふいに永遠くんが問いかけてきて、首を傾げる。
「未来ちゃんがここに残していった手袋の片方は、巡り巡って、今、僕らの手の中にあるんだよ」
私は持ったままのくたびれたポシェットを覗き込んだ。
これも、元は私の手袋だった。
編み込まれたニットは杭に引っ掛かって、解けて、長い1本の毛糸になっていた。
その両端を永遠くんと私が持っている。
「本当だ。繋がってたんだね、私たち」
離れていても空の下で。
きっと、永遠くんが落とした手袋を拾ってくれた大晦日の夜から、小さな奇跡は始まっていたんだ。
「ねぇ、久しぶりにあれやろうか?」
「あれ?」
首を傾げる永遠くんの右手を掴んで、そのまま万歳をしながら、雪の上に仰向けに倒れた。
「びっくりした」と楽しそうに永遠くんは声を上げた。