スノードームと恋の魔法
「恥ずかしがりやなんだね」と明るく笑った。
「私ね、ここに住んでる訳じゃなくてね、学校がお休みの間、お爺ちゃんとお婆ちゃんの家に遊びに来てるんだぁ」
彼女は続ける。
そっか、だから同じ位の歳なのに、見かけたことがないんだ。
とはいっても、僕は人家が周りにない、湖畔の傍に住んでいて、滅多に出かけないから村のことはわからないのはあるんだけど。
「いつもだったら冬休みが終わるまで過ごすんだけど、今回はパパが明日迎えに来るんだぁ。いつも仕事で忙しい人だから、お正月を一緒に過ごせるのは嬉しいんだけどね。せっかくお友達ができそうだったのに、残念だなぁ」
そう言って彼女は唇を尖らせた。
友達って僕のことなのかな?そう思ったら恥ずかしくなって、甘酒をぐびっと飲んで誤魔化した。
「おぉい、ミライ。帰るぞぉ」
人込みの中から野太い声が聞こえ、彼女が振り返り、「はぁい」と返事した。
「もう、帰らなくちゃ。今度は夏休みに来るんだ。また会えるといいね」
おまじないと彼女が小指を差し出した。
彼女の細い指に僕の小指を絡ませ、上下にぶんぶん振った。
これはおまじないではなくて、約束ではないのだろうかと不思議に思った。