スノードームと恋の魔法
(病気っていうのかな?ある日、突然出来なくなったんだ)
「いきなり声が出せなくなったってこと?」
僕は頷き、画用紙にクレヨンを走らせる。
(大きなストレスを受けたせいじゃないかって病院の先生は言ってた。詳しいことは僕にもわからない)
「ストレス?」
(なんとなく思い当たることがあるけど、ストレスのことはあまり言いたくないんだ)
続きの文に悩んでいると、彼女は察してくれたらしい。
「嫌なら、話さなくていいよ」と僕を見つめてにっこりと笑った。
その笑顔に少し救われた気がする。
ぱちん、ぱちんと暖炉の薪が弾ける音がした。
僕らはいつの間にか黙り込んでしまっていた。
たまにミライちゃんがゆっくりとココアを飲む。
沈黙の時間が何故だか僕には心地よかった。
「素敵なお家ね」
家の中を見渡していたミライちゃんが飲み干したマグカップをごちそうさまとテーブルの上に置くと、そう告げた。