スノードームと恋の魔法
「お邪魔してます・・・えっと、彼・・・お孫さんの・・・友達です」
躊躇いがちにミライちゃんはそう告げた。
「友達」の所でちらりと僕を覗く。
僕は照れながらも、お爺さんを見つめてそうだと大きく頷いた。
お爺さんは買い物袋を床に置くと、ジャンパーの袖についた雪を払った。
床に腰を下ろし、履いていた長靴を脱ぐと、にっこりと笑いながら、こちらに向かって来た。
「この子がこんな可愛らしい友達を連れて来るなんて、初めてのことだから驚いたよ。何か飲むかい?」
「お構いなく。さっき、ココアを頂いたばかりです」
買い物袋をテーブルの上に置くと、お爺さんはミライちゃんと向かい合って、そうかと笑った。
僕はお爺さんのジャンパーの袖をつつくと、スケッチブックに、
(お爺さんのコレクションを見せてもいい?)と書いた。
「お前の友達なら大歓迎だ」
お爺さんは鼻の下のヒゲを触りながらワハハと笑った。
ミライちゃんに湖畔の小屋を案内するから外に出るよと、ジェスチャーで示し、僕は玄関の扉の近くにかけてある自分のダウンを羽織った。
ミライちゃんも慌ててコートを着、僕の後に付いて来る。