スノードームと恋の魔法


湖畔の上に建つこの小屋はお爺さんのアトリエだった。


日曜大工をする道具や木材、作業台が部屋の中心に置かれ、壁を囲むように棚が置かれている。


棚にはお爺さんが作った木のオブジェや、難しい本が並ぶ。


中でも目を引くのは、部屋の奥の棚に所狭しと並ぶスノードームだ。


壁を埋め尽くす程のスノードームが並ぶ。大きさも形もそれぞれ違う。


お爺さんのコレクションだ。


ミライちゃんはムートンブーツを揃えて、部屋に上がると、真っ直ぐにスノードームの並ぶ棚に向かった。




まあるいガラスの中に広がる小さな世界。


逆さにして、また元の位置に戻すと、ひらひらと細かい雪が舞う。


(お爺さんが集めたんだ)


僕はスケッチブックを開いて補足する。


「そうなんだ・・・」


ミライちゃんの視線がスノードームの並ぶ棚の上へと動いた。


そこには今は亡き、僕のお婆さんとお爺さんが2ショットで微笑む写真が額縁に入れられ、並んで壁に掛かっていた。


どこか異国の地で撮られたそれらの写真は2人が若い頃から一番、新しい2、3年前のものまで、お爺さんとお婆さんの歴史が綴られていた。



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