スノードームと恋の魔法
元教師のお爺さんの趣味は旅行で、長期休暇の時期になると、お婆さんを連れて旅に出ていた。
お土産物として、スノードームを買い始めたら、行く土地によって異なるそれらを集めるのが楽しくなったみたいだ。
ざっと見繕ってみても100個以上のスノードームが棚には並んでいる。
スイッチを押すとライトが付く、イルミネーションのようなスノードーム。
下の台の部分にオルゴールが付いているスノードーム。
「手に取ってみてもいい?」
キラキラした目で僕を見たミライちゃんに、もちろんと大きく頷いた。
ミライちゃんは1つ1つのスノードームを蛍光灯の光にかざして目を細める。
そんなに気に入ったのなら、1つ僕たちの友達記念にどうぞと言いたい所だったけれど、お爺さんの大切なコレクションなのでそういうワケにもいかない。
「キレイ」
そう言って、いつまでもスノードームの眺めるミライちゃんの横顔を僕はじっと見ていた。
その日から、ミライちゃんは毎日のように、僕の家を訪ねて来た。
「お爺ちゃんもお婆ちゃんもいい人なの。だけど、やっぱり、1人だと退屈なんだもん。お爺さんのことを言ったらね、先生の所に行くんじゃあ、安心だって」
ミライちゃんはにこにこしながら僕に告げる。