スノードームと恋の魔法


「今日はお土産を持ってきたの。お婆ちゃんが作った干し柿。見た目ちょっと、キモチ悪いけど、甘くておいしいよ」


相変わらず、話相手にならない僕は頷くだけだったけれど、明るいミライちゃんはそんなことは関係ないみたいだった。


部屋に籠っているか、湖畔の周辺を散策するくらいかの僕の行動範囲と違って、ミライちゃんは活発だった。


湖畔を囲む針葉樹林の中へ探検に出かけたり、買い物に出かけるお爺さんについていって、荷物持ちのお手伝いをしたり。


お爺さんと並んで町へと向かう、小さな後ろ姿を窓から眺めて、お爺さんも僕みたいに家に籠ってばかりの子供じゃなくて、ミライちゃんみたいに明るくて、かわいい子が孫だったら良かったなんて思ってるのかもななんてネガティブなことを考えたりもした。


「ねぇ、雪が降って来たよ。ちょっと、外に出て来てよ」


僕が暖炉の前で読書をしていると、湖畔の周辺の探検に出ていたミライちゃんが玄関の扉を勢いよく開けた。


雪なんて珍しいものじゃないし、外に出ても寒いだけじゃないか。


表情に出ていたらしい。ミライちゃんはぷくっと両頬を膨らませると、ムートンブーツを脱ぎ捨てて、部屋に上がり、僕の前で仁王立ちをした。


「子供は風の子なんだってお婆ちゃんが言ってた!」


僕から本を取り上げると、手首を掴んだ。


台所にいるお爺さんを振り返ったけれど、行っといでと軽く手を振っただけだった。


ミライちゃんは僕のお爺さんまで味方につけてしまったらしい。



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