スノードームと恋の魔法
壁にかかったダウンジャケットを掴むと、ムートンブーツを履いたミライちゃんに引きずられるようにして家を出た。
しんしんと誰もいない湖畔に雪が降り続いている。
花びらのように舞うぼたん雪だ。
ミライちゃんは湖畔の淵に立って大きな湖を眺めていた。
湖と言っても、そこは一面が真っ白な雪で覆われた草原のようだった。
僕は空を見上げた。
どんよりとグレーの重たい雲が広がっている。
まだお昼前なのに暗い。
そしてとても静かだ。
音のない世界にミライちゃんと来てしまったようだ。
ミライちゃんは僕の手を掴んだ。
雪遊びをしていた名残だろうか?ミライちゃんのお気に入りの真っ赤なミトンの手袋はじっとりと濡れていた。
そして一歩前に踏み出した。
ミライちゃんは湖の上を歩き出した。
僕は慌ててその場に踏ん張った。