スノードームと恋の魔法
思わず手に力が入り、ミライちゃんがびっくりしたようにこちらを振り返った。
僕は首を横に振った。
湖の上を歩くのはダメだとお爺さんに言われていた。
雪で覆われているように見えても、下の氷が薄い場所があるのだと、万が一、湖に落ちてしまったら、命に係わるかもしれない。
僕の必至の訴えを目で感じてくれたミライちゃんはにっこりとほほ笑んだ。
「大丈夫、少しだけ。誰も足を踏み入れてない所に最初の一歩の印がつくのって、嬉しくない?」
そう言ってミライちゃんは僕の手を振り切って、ざくざくと前に進んだ。
ミライちゃんの履いているムートンブーツの足跡が降りたての雪の上についた。
確かに、その気持ちは解らなくはないけれど。
「ねぇ、一緒に行こう」
にっこりと笑ったミライちゃんがもう一度、僕を振り返り、そして手を差し出した。
湖の上を歩いたらダメだって言われてるのに、気づいたら僕は、一歩前に踏み出していた。
ミライちゃんの手を取る。
ミライちゃんは僕の手を握りしめると、フフと無邪気に笑った。
僕らは手を取り合って、前に進む。