スノードームと恋の魔法
湖畔の周りを散策したり、どっちが大きな雪ダルマを作れるか競争したり。
ミライちゃんのお気に入りはお爺さんのアトリエで過ごすことだった。
お爺さんがストーブを用意してくれて、僕は本を読み、ミライちゃんはお爺さんのコレクションのスノードームを飽きることなく眺めていた。
僕らの間に会話はなかったけれど、その空間は僕にとってとても居心地が良く、大切な時間でもあった。
冬休みの終わりが近づいて来たある日のことだった。
その日もお爺さんのアトリエで僕は本を読んでいた。
「ちょっと散歩してくる」と外に出て行ったっきり、ミライちゃんがなかなか帰って来ないので、心配になり、窓から外を覗いてみた。
曇りガラスを着ていたフリースの袖で拭い、外を覗き込む。
いつの間にかまた雪が降ってきたみたいだ。
湖の上に広がる雪の平野に佇むミライちゃんを発見した。
あんな所で何してるんだろう?
僕はストーブの火を消すと、壁に掛けてあるダウンジャケットを羽織って外に出た。
ざくざくと雪を掻き分ける僕の足音に気付いたのか、ミライちゃんはこちらを振り向き笑う。
ミライちゃんの背後には、膝丈くらいの雪ダルマが佇んでいた。
(雪ダルマを作ってたんだ)