スノードームと恋の魔法


雪ダルマには湖畔の周りに落ちている木の枝や、石ころで顔が作られていた。


太目の木の枝が腕になっていて、その先にはミライちゃんの真っ赤な手袋が嵌めてあった。


小さなピンクのリボンが付いた、僕たちが初めて会った時に、僕が拾った彼女の手袋。


ミライちゃんの手を見ると、手袋と同じ位に真っ赤になっていた。


(手袋・・・いいの?)


ジェスチャーを交えて、僕は訊ねる。


「この手袋、私にはもう小さいんだ。だからここに残していくね。春になって、雪が解けたら、湖の下に沈んで行くのかなぁ。それはそれで、私がここにいた印みたいになっていいね」


ミライちゃんは満足そうに雪ダルマを眺めていた。


そしてぱたりと仰向けに倒れる。


降り続ける細かい雪を眺めていた。


「・・・来年はもぅ、ここには来れないかもしれない・・・」


ミライちゃんの隣に腰を下ろした所で、ぽつりと呟いた。


じっとミライちゃんを見つめる。


・・・ここには来れないの?


「私のお父さんとお母さん、離婚することになったの」


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